~新潟大学硬式野球部・一部昇格~
2022年、新潟大学硬式野球部が「関甲新学生野球連盟」春季リーグより1部に昇格が決まりました。現在の1部は10チーム編成となり、唯一の国立大学です。学生監督の高橋怜史(3年)さんにお話を伺いました。
――1部昇格おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
高橋:昨年の12月頃少しずつこのお話が聞こえ始め、今年の1月に正式決定が出ました。目標にもしていたので、嬉しい気持ちもありましたが、実際は驚きと不安もあるのが正直なところでした。でも、2001年以来の20年ぶりの1部昇格です。沢山の新大OBの方々の歴史も胸に全力で戦いたいと思います。
――選手のみなさんの反応はどうでしたか?
高橋:実際、2部から1部への昇格は、環境も大きく変わります。国立大学を選んでいる選手たちですので、野球だけでなく学業やバイトとのバランスも必要になります。チームの方向性の確認も含め、チーム内での話し合いもおこないました。目標としていた1部でもあるので「1部に上がるなら精一杯やろう!」「国立の意地をみせよう!」と、あらためて気持ちをひとつにしました。
――学生監督とは?また、どんな監督になりたいですか
高橋:2年生の秋のリーグ戦終了後に、学生監督を毎年決めます。今年はチーム内で話し合い、自分が立候補しました。私立にはあまりない「学生監督」というシステムは、新大では代々受け継がれています。「監督の言うことが絶対」というチームではなく、選手たちが意見を言えて、選手主体で野球が出来る。そこをサポートできる監督を目指したいです。
――クラウドファンディングにも挑戦されていますね。
高橋:はい。もともと遠征費も部活のお金も自分たちでという選手が多いので、1部にあがり更にお金がかかることを考え「少しでも野球の環境に集中をさせていただけたら」と、チームで決めました。3月下旬から始めて、4月末頃までの予定なのですが。すでに目標金額を達成し、とても驚いています。高校時代の同級生や、過去の指導者の方々、OBの皆さん、様々な方々が本気で応援してくださっていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
――新大野球部はどんなチームですか?
高橋:国立大学ですので、文武両道を目指しています。週5日の練習、バイトと勉強。決して恵まれた環境ではないですが、最高の仲間とともに野球が出来ていると感じることが出来るチームです。また、チームに関する事は全て、自分たちでやらなければいけません。選手たちが出来る限り野球に専念できるようにと6人のマネージャーが、チームを支えてくれています。練習のサポートだけでなく、練習試合の調整、遠征の準備等しっかりと動いてくれています。
――最後に、今期にかける想いを聞かせてください。
高橋: 1部昇格が決まってから、チームの士気は高まっています。新大野球部の良さでもある「選手主体の練習」「チーム作り」を維持しながら、まずは1勝を目指します。新大では、3年生がメインシーズンになり、4年生になると学業と就活があるために引退をします。今年が、僕たちにとって最後の年になります。自分たちの野球を貫きながら、今期、1部残留ができるよう全力で挑みたいです。
〈練習スケジュール〉週5回練習
・火 放課後 16時半~日が暮れるまで(ナイターがないため2時間程)
・水 朝6時~8時
・金 朝6時~8時
・土日 リーグ戦、試合、午前練習
~取材を終えて~
新潟大学硬式野球部の紅白戦の日に、取材にお邪魔しました。
私立大学と比べると、国立大学ですので、グラウンド環境等に関しては差も感じます。しかし、与えられた環境の中で、グラウンドや道具を大切にし、工夫をして野球に打ち込む姿は国立大学の良さに感じられました。
練習の雰囲気は、とにかく明るく楽しそう。大人の監督こそいませんが、学生監督の高橋監督を中心に、自分たちで考え、ひとつひとつを進めていました。ゲームノック形式の練習時などは、プレーを止めてでも状況の確認等も選手間で自然におこなわれていました。
選手主導でおこなう部活動は、きっと社会に出た時には大きな武器になります。「応援したくなる」そんな魅力あふれるチームでした。春季リーグが始まりました。新潟大学硬式野球部の今後の活躍が楽しみです。
〈参照〉