野球のコーチになり、気づかされこと

やっと野球のスタートラインに立てたのが、28歳の春です。笹山ライオンズ(学童野球チーム)のコーチとしてでした。小学生の選手たちと共に週末野球を出来るのが本当に楽しく、仕事、家事、育児、野球と何足もの草鞋でも、苦にならない程でした。

 

 

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頓所理加のBaseball Lifeブログ
写真 : 笹山ライオンズ(学童野球チーム)

 

ソフトボールと野球のさまざまな違いも学ぶことが出来ました。ボールが違うだけで、体の使い方にも大きく影響が出てきます。そのことで、ソフト・野球それぞれの良さにも気づけた気がします。

 

また「伝える事」の難しさも感じました。小学生の選手の場合、本当に野球を一から教えなければなりません。ベースランニングひとつをみても、足の運び方、ベースの踏む位置。選手の目線に立ち、わかるように指導をする。わかっている前提でついつい進めてしまいがちですが、それでは選手が野球を楽しめなくなってしまいます。「教えたのに、出来ない!」は、「伝えきれていない」指導者側の問題です。指導者としてまだ駆け出しの私は、彼らから本当に多くの事を学ばせてもらいました。

 

そして、初めて練習試合に勝った時の感動も、忘れる事が出来ません。野球を始めたばかりの選手が多い「笹山ライオンズ」の初勝利までの道のりは、それはそれは遠いものでした。練習を重ね、個々が少しずつ成長し、チームとしてまとまることを考えながら野球をする。負けても負けても、腐らずにまた立ち向かう、その先の初勝利!まるでどこかの大会で優勝したかのように、選手も保護者も指導陣も喜びました。勝つ喜び、また、自分自身の成長を感じる喜び、チームがひとつになり感じる喜び。野球をする上で、選手たちに一番感じてもらいたい感情です。また、そんな選手たち達の姿がみられるのは、本当に幸せでした。 

 

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写真 : 笹山ライオンズ(学童野球チーム)選手とコーチの私

私は、選手たちと向き合うことで、指導者としての難しさ、楽しさ両方を感じさせてもらいました。指導者とは、何かを与えるものではなく、実際は、選手たちからたくさんの幸せをもらい、学ばせてもらえる立場なのだと気づいた頃でもあります。

 

そして、物心ついたときに「いつか指導者になりたい」と夢描いていた私は、たくさんの遠回りはしましたが、夢に近づくことが出来ました。