新潟県では今年で8回目の講習会。
新潟県の審判レベル向上のために、全国的に精通されているJABA(日本野球連盟)規則審判委員長の桑原和彦さん、規則審判委員の小出嘉則さんを招いて行われました。
野球の試合で絶対に欠かすことのできない「審判」の方々が、どのようにしてスキルアップをされているのか。審判の方々の新たな魅力に迫ってみました!
雨天の中での講習会でしたが、まずはランニングなどの準備運動から。ストレッチも入念にされていました。試合中にアウト、セーフの判断をするために、走ってボールに追いつかなければなりません。審判をするには体力が必要だということに気がつきました。
続いて、「アウト」「セーフ」の姿勢やコールの練習。
なんと…私も一緒に体験させていただきました!
ただ「アウト!」と言うのではなく「He is out!(ヒーイズアウト!)」と大きな声でコールをします。
約70名の方が参加していたのですが、グラウンド中に「He is out!」の声が響き渡りました。大人数での講習会となると、声を出すことに躊躇したり緊張してしまい、もし私が受講する立場だったらと考えると大きな声でコールできないと思います。皆さんの熱気に圧倒されて、思わず「凄い…!」と呟いてしまいました。
「アウト」「セーフ」とコールする際、ポーズの取り方にも細かくご指導がありました。
「アウト」の際は「握り拳をして腕を曲げ、刺すように力強く」
「セーフ」の際は「素早く腕を水平にする」自分が思っているより下に手を伸ばすと綺麗に見える、と私も直接ご指導をいただきました😂
「審判は後ろから見られているのだから後ろ姿をカッコよくしていた方がいい」と、足の開き方ひとつ、カッコいい例とそうではない例とふた通りやり、分かりやすくご指導されていました。
今回中心となってご指導されていたJABA規則審判委員長桑原和彦さんの「選手のために際どいボールをとってあげるのが審判だ」という言葉が心に残っています。ストライクとボールの境目での決め球をストライクと取ってあげられないと選手は苦しくなってしまう。審判はそこの境目をきちんと判断できるようなポジションを取らなければならない。と選手のことを考えて熱くご指導をされている姿に心を打たれました。
桑原さんにお話を伺うことができ、「アウト、セーフなどの判断に迷った時はどうされていますか?」と質問をしたところ、「今までの自分の経験から、最終的にはエイヤ!(勢い)で決めます。それを見極める経験をするためにこの講習会で練習をする」と審判講習会の大切さを教えていただきました。
このような審判講習会は全国規模で行なっているそうですが、ここ新潟県では、それとは別にこのような機会を設け、年齢の若い審判の方や、リトルシニアという中学生の硬式野球での保護者審判をされている方にも声を掛けて審判の育成に力を入れているそうです。
高校野球の公式戦で審判をされていたり、レベルの高い審判の方もこの講習会を受講されていて「新潟県の審判の方のレベルは高いです。」と桑原さんがおっしゃっていました。
国際審判委員という世界大会でも審判ができる方が日本に23人いらっしゃるそうですが、そのうちの3人が新潟県の方だそうです! 講習会に参加し、更なる皆さんの凄まじい努力を感じました。
今回の審判講習会のお手伝いとして、各カテゴリーからJR新潟さん、新潟医療福祉大学さん、日本文理高校さんの選手の皆さんも参加されていました。きっと、選手の皆さんもこの講習会に参加したことにより新たな発見があったのではないかなと思います。
私も、普段の野球の試合では何気なく見ていた審判の方の判断の裏側には、このような訓練を重ねて、様々な経験を積まれていることを学ぶことができました。
皆さんもぜひ、審判の方のカッコいい動きや声に注目をしてみてはいかがでしょうか。
〈参照〉JABA日本野球連盟公式HP
〈協力〉JABA新潟県野球連盟